こじまだよ!の気まぐれレビュー 〜X-T50 / XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR 編〜
こじまだよ!の気まぐれレビュー
〜X-T50 / XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR 編〜
今回は小型・軽量ボディに第5世代40Mセンサーと最新画像処理エンジンを搭載したXシリーズ2桁モデル「X-T50」と同時に発売された新標準ズーム「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」を気まぐれレビューします。
Xシリーズ待望の2桁モデル「X-T50」が発売となった。XシリーズはどのモデルもAPS-Cセンサーを搭載しておりフルサイズセンサーのカメラと比べて小型・軽量で取り回しの良さも特長の一つだが、その中でも2桁モデルは更に小型・軽量で普段使いに最適なカメラだ。
新製品「X-T50」はその小型・軽量ボディにX-T5にも搭載されている4020万画素センサー「X-Trans COMS 5 HR」と最新の高速処理エンジン「X-Processor5」を採用することによってハイエンド機並みの高画質・高性能を日常的に体感することができるカメラとなった。また、最大の特徴は新搭載された「フィルムシミュレーションダイヤル」だ。フィルムシミュレーションを直感的に操作できパトローネがクルクルまわるギミックがとても特徴的で是非試して欲しい。
今回の撮影旅では「X-T50」と「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」そして「XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR」の組み合わせで撮影したが、まったく機材重量のストレスはなかった。
「X-T50」は438g、「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」はなんと240g!XF70-300mm含めた機材総重量は1,258gと1キロちょっと。昔の苦労は何だったのかと思ってしまう。
実は、前モデル「X-T30U」より重量は60g、サイズも若干大きくなっているが、アイコニックなラウンドデザインは実際より小さく感じられ、グリップもより持ちやすいボディとなった。
青島駅到着。撮影機材が軽いので鉄道での移動も苦労知らず。
いくら機材が軽くても肝心なのは写りだが、40MセンサーとXF16-50mmとの組み合わせの解像力は素晴らしかった。
葉の細部までしっかりと解像している。
上位機種と同様AIによる被写体検出も搭載されているので突然現れた猫にもばっちりピントがあった。
Xシリーズと言えば「フィルムシミュレーション」というぐらい魅力的な機能だが「X-T50」に新しく新設された「フィルムシミュレーションダイヤル」はフィルムを交換するように直感的に操作ができる。
人気のフィルムシミュレーション8種類がデフォルトでダイヤルに入っておりC(カスタム)にすればフロントコマンドダイヤルでスムーズに全20種類を選択することができる。
南国宮崎感を表現するには「Velvia」は最適
青島神社の鳥居
青島神社元宮。ジャングルの中に鎮座している。
日差しが強くなったので「ASTIA」で細かな花の階調を写し出した。
宮崎青島周辺には「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇岩の景色が広がっている。ここは発色抑えめコントラスト高めの「クラシッククローム」をチョイス。
「X-T50」のもう一つのトピックスは2桁モデルとして初めてボディ内手ブレ補正が搭載されたこと。最大7.0段の強力な手ブレ補正が得られる。
撮影の合間に寄ったうどん屋さんでうどんを手持ち撮影したがスローシャッターでも安心して撮影ができた。
「X-T50」は40Mセンサーの特長を生かし4:3や5:4のアスペクト比も選択でき作品表現の幅が広がった。
新標準ズーム「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」はXF18-55mmF2.8-4R LM OISの後継レンズだが、ワイド側が2mm広がったことで撮影領域が広がりよりポピュラーな使いやすいレンズとなった。
最短撮影距離が0.24mと短く最大撮影倍率0.3倍(35o換算0.45倍)とハーフマクロのような撮影ができる。又インナーズームとなり使いやすさも増している。
16mm側でグッと被写体に寄ることでダイナミックな撮影も可能。
新レンズはOISが無くなりテレ側の開放F値が4.8となったが、今回の「X-T50」のようにボディ側に手ブレ補正が搭載された機種が多くなったことや高感度ノイズが抑制できるようになったことから、より小型・軽量に重点を置いたのではないだろうか。
「X-T50」はISO10000でも通常撮影で十分使えるレベル
青島全景
このように満足度の高い撮影が可能となった「X-T50」だか、唯一気になった点を挙げるとすれば、バッテリーがNP-W126Sということ。プロセッサーの省電力化により前モデルX-T30Uと同等の約390枚の撮影が可能だが、それでも旅の撮影ではやや心もとない。旅行などでは予備バッテリーを持っていくことをお勧めする。
「X-T50」は今回のような旅行や何気ない日常を写すには適したモデルと感じた。又、これからミラーレス一眼を始められる方にもおすすめできる1台。カメラに慣れるまではAUTOモードに切り替えればシーンに合わせた撮影をカメラ任せで行うことができ、当然本格的な撮影もハイエンド機と同様に行うことができる。
ぜひ高画質・高性能に進化した「X-T50」をご体感ください。
FUJIFILM X-T50
詳しくはこちらXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
詳しくはこちら【プロフィール】
小島 勇
富士フイルムイメージングシステムズ
デジタルカメラ事業部勤務
スタジオ勤務を経てプロラボクリエイトで写真展監修や作品作成サポートに携わる。
現在は全国北海道から沖縄まで新製品イベントやデジカメセミナー等、社内外講師として活動。
フォトマスターエキスパート総合取得
公益社団法人日本写真協会 会員