こじまだよ!の気まぐれレビュー  〜X-T5/XF30o F2.8 R LM WR Macro編〜

こじまだよ!の気まぐれレビュー
〜X-T5/XF30o F2.8 R LM WR Macro編〜

カメラをこよなく愛する社員の気まぐれレビュー

今回のテーマは、正しく「原点回帰」正統進化を遂げたX-T5とベストマッチレンズXF30o F2.8 R LM WR Macroです。

X-Tユーザーはこのカメラの登場を心待ちにしていたのではないか!
富士フイルムミラーレス一眼が世の中に認知されるきっかけになったX-Tシリーズの初代モデルX-T1。その特長は「小型・軽量・高画質」
今回新発売されたX-T5はその原点に拘り正統進化したモデルとして登場した。

X-T5のファーストインプレッションは“小さい、軽い、そして持ちやすい”だった。
カタログスペック上は先代のX-T4と比べ50gの軽量化が図られており重量は557gとなったが、グリップが大きくなりホールド性が向上したことで、より軽く感じられる。
“軽さは正義”と誰かが言っていたが、これがXシリーズの正統であると改めて思った。

X-T5のもう一つの魅力は“顔がいい”こと。これはかなり重要でどんなにハイスペックなカメラでも“ブサイク”では持ち歩きたくない。

このカッコイイX-T5と一緒に旅にでないと!という衝動に駆られ徳島までブラリと来てしまった。

徳島駅前
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F8 1/170秒 ISO125

レンズはこれも新製品XF30mmF2.8 R LM WR Macroをチョイス。T5とのバランスもいい。今回は潔く単焦点一本勝負。
このレンズ195gと軽量・小型で焦点距離35o換算45oと標準に近く常用単焦点レンズとしても使いやすい。

ポスト
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F2.8 1/750秒 ISO125

T5とXF30o Macroの組み合わせはこのようにコンパクトなのでリュック一つで納まり旅にはベストマッチ。

リュック

徳島県は全国で唯一電車が走っていない県。そういえばパンタグラフが無い!!

列車2台
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F8 1/45秒 ISO320

X-T5は常用ISO感度が125まで使えるようになったことでダイナミックレンジも広がりこの様な厳しい条件でもシャドーからハイライトまでうまく表現出来た。
車窓から見えるのどかな景色。

車窓から見える景色
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F8 1/125秒 ISO125

X-T5に搭載されたフィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ」使用
この情景と見事にマッチしている。

ノスタルジックネガで撮影した車両
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F2.8 1/2200秒 ISO125

徳島には世界初の乗り物があるのをご存知だろうか。
DMV(デュアル・モード・ビークル)線路と道路の両方を走ることができる乗り物である。

デュアル・モード・ビークル
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F8 1/220秒 ISO125

鉄道モードとバスモードをモードチェンジすることで両方走ることが可能。
X-T5はSTILL、MOVIE切替レバーがあるのでモードチェンジの瞬間を逃さず動画を撮影することが出来た。T5なら6.2K/30Pの高精細動画も撮れるので本格的な動画撮影も可能だ。

X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro 4K 23,98P ETERNA

X-T5のX-TRANS COMS5HR 40Mセンサーは山並みの立体感と微細なテクスチャーを見事に再現した。
山間部を線路モードで走るDMV

山間部を線路モードで走るDMV
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F8 1/280秒 ISO500

旅のもう一つの楽しみは何といっても地元の美味しい食事。
X-T5なら夕食会場にも気楽に持ち込めるしボディ内手ブレ補正が7段もあるから安心。
T5の高画質とXF30o Macroの組合せによりお刺身の新鮮さを写し撮ることが出来た。

刺身
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F5 1/45秒 ISO1000

XF30mm F2.8 R LM WR Macroならレンズ前1.2pまで寄れる。
お刺身が美味しくて撮り忘れた伊勢えびの殻のクローズアップ。

伊勢えび
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F5 1/45秒 ISO5000

夕食を済ませて空を見上げると満天の星。今回は単焦点一本勝負で三脚も持ってきていない。でもこの素晴らしい星空を撮らないのは後悔する。
そこで、三軸チルトでレンズを星空に向けるという荒業で撮影(マネしないでね!)
見事にオリオン座を捉えることが出来た。何とHα領域の散光星雲バーナードループも薄っすら見える。

星空
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F2.8 15秒 ISO6400 トーンカーブ、明瞭度調整

翌日の朝は晴天。
太陽を画面に入れる厳しい条件で撮影したが、嫌なフレアやゴーストは見られない。

晴天
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F16 1/450秒 ISO125

X-T5はAF-ONボタンも押しやすく改善されておりスナップ撮影でもシャッターチャンスを逃さない。
高知県境まで来ると南国を感じる。

ヤシの木と海
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F11 1/180秒 ISO125

X-T5はアスペクト比5:4も追加された。銀塩中判カメラを使っていた方には懐かしい比率。ここでは夏と秋が同居していた。

紅葉
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F5.6 1/75秒 ISO125

車窓の風景。

車窓からの海
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F11 1/85秒 ISO125

帰路の飛行機機内から徳島の夕景。若干ノイズが感じられるが十分使用できる範囲。

飛行機機内からの徳島の夕景
X-T5 XF30mmF2.8 R LM WR Macro F2.8 1/42秒 ISO12800

今回の旅ではX-T5とXF30o Macroの組み合わせのみだったがストレス無く撮影を楽しむことが出来た。
X-T4から正統進化したX-T5は見た目以上に使いやすく、「小型・軽量・高画質」はもちろん、3軸チルトLCD、シャッター位置、露出補正ダイヤルのクリック感、AF-ONボタンの押しやすさなどT4の時にユーザーから言われていた不満点を改善しておりX-Tユーザーに満足できる仕上がりになっていることは間違いない。又、X-H2S、X-H2同様、被写体検出も搭載されているのでピント合わせは気にせずシャッターチャンスや構図に集中して撮影が可能である。
X-Tユーザーはもちろんのこと他社カメラをお使いのユーザーにもぜひX-T5の楽しさをご体感いただきたい。

X-T5

FUJIFILM X-T5

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XF30mm

XF30mmF2.8 R LM WR Macro

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【プロフィール】

小島 勇
富士フイルムイメージングシステムズ
デジタルカメラ事業部勤務
スタジオ勤務を経てプロラボクリエイトで写真展監修や作品作成サポートに携わる。
現在は全国北海道から沖縄まで新製品イベントやデジカメセミナー等、社内外講師として活動。

フォトマスターエキスパート総合取得
公益社団法人日本写真協会 会員

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