こじまだよ!の気まぐれレビュー 〜X-S20編〜
こじまだよ!の気まぐれレビュー
〜X-S20編〜
今回はXシリーズミドルレンジ最新モデル]-S20とXF8mmF3.5 R WR を気まぐれレビューします。
コンパクトなのにハイエンドモデルと同等の撮影性能を持ち初心者でも手軽に「富士フイルムの色」を愉しむことができる「X-S10」その後継機「X-S20」が発表となった。
X-S10はご承知の通りモードダイヤルを搭載し本格的な撮影はもちろんのこと“AUTO”に設定することで、カメラが自動でシーンに合わせ最適な設定(フィルムシミュレーション、ダイナミックレンジ、明瞭度など)を行ってくれるので、初心者でも簡単に高レベルな撮影ができる画期的なモデルであったが、今回新発売された「X-S20」はその扱いやすさはそのままに更に進化を遂げたモデルとして登場した。
まず、持ってみたサイズ感はX-S10とほとんど変わらない。
スペック表を確認すると横幅が1.7mmだけ広くなった。そういえばグリップが少し厚みを持っている。これによってホールド性が更に良くなった感じがする。
重量はほとんど気づかないレベルの26g増えて約491g。よく見ると今回バッテリーが大容量のNP-W235に変わっておりバッテリーの重量分だけ増えた感じだ。
バッテリーが変わったことでX-S10のウイークポイントだった撮影枚数がX-S20では約800枚と約2.3倍も増え安心して撮影に出かけることができるようになった。
新モデルでも富士フイルムならではの美しい色表現は当然健在。
フィルムシミュレーションは19種類全載せ。
ノスタルジックネガも使える。
ボディー内手ブレ補正が7.0段と向上したことでスローシャッターでも安心して手持ち撮影ができた。
夜空の高感度ノイズも気にならないレベル。
X-S20のセンサーはX-S10でも評価の高かった約2610万画素X-Trans CMOS4、そしてエンジンは第5世代X-Processer5が搭載された。
この組み合わせによりAF性能が大きく進化している。
何と第5世代のハイエンドモデルと同等の被写体検出AFが可能になった。
被写体検出(動物)の精度は良くワンコの瞳を即座にキャッチした。
X-S20最大のトピックスはモードを「AUTO」で撮影すると被写体検出AFも自動で判別してくれること。
このシチュエーションでは動きを検知しシャッター速度は早め、フィルムシミュレーションはソフトなASTIA、ダイナミックレンジは200%、顔検出/瞳AFとすべてカメラが自動で最適な設定にしてくれた。
ワンコと一緒に撮影すると人物の方を優先し顔検出/瞳AFが選択された。
X-S20は静止画の進化だけではなく動画機能も充実した。
6.2K 30P/4K 60Pの内部収録が可能となった上に、新機能の「Vlogモード」まで搭載されている。
Vlogモードでは、背景をぼかすことができる「背景ボケモード」や、商品の紹介時に便利な「商品撮影モード」が選択できるようになり、快適にVlog撮影することができるようになった。
また、別売りの冷却ファンや三脚グリップを使うことでより快適な動画撮影も可能となった。
これまで何十年も静止画しか撮っていなかったが、ここまで手軽に高品質な動画が撮れるとなるとちょっと動画も撮ってみようかな...となり簡単なショートムービー(1分動画)を作成してみた。
動画編集はMacのiMovieで行ったがこれぐらいの編集なら思いのほか簡単だった。
X-S20なら簡単にシネマティックな動画が撮れるのでこれからは静止画撮影の合間に動画を撮る機会も増えそうだ。
ちなみに今回のX-S20作例のほとんどは新レンズXF8mmF3.5 R WRで撮影している。
35mm判換算で12mm相当と超広角単焦点レンズ特有の強烈なパースを活かした撮影が可能。
最短撮影距離18cmまで寄れるので今まで撮れなかったインパクトのある撮影ができた。
第5世代プロセッサが搭載されたX-S20はその見た目からは想像できない性能進化を遂げていた。
また、X-S10を継承しつつモードダイヤルの大きさや露出補正ダイヤルのクリック感、AF-ONボタンの押しやすさなど、ユーザーニーズに合わせ改善を行っており、X-S10ユーザーにはより満足できる仕上がりとなっていた。
X-S10からの乗換えはもちろんのこと、初めてレンズ交換式カメラを使う方やミラーレスカメラで動画を撮りたいVloggerなど動画ユーザーにもお薦めできるカメラである。
FUJIFILM X-S20
詳しくはこちらXF8mmF3.5 R WR
詳しくはこちら【プロフィール】
小島 勇
富士フイルムイメージングシステムズ
デジタルカメラ事業部勤務
スタジオ勤務を経てプロラボクリエイトで写真展監修や作品作成サポートに携わる。
現在は全国北海道から沖縄まで新製品イベントやデジカメセミナー等、社内外講師として活動。
フォトマスターエキスパート総合取得
公益社団法人日本写真協会 会員