こじまだよ!の気まぐれレビュー  〜X-H2S編〜

こじまだよ!の気まぐれレビュー
〜X-H2S編〜

カメラをこよなく愛する社員の気まぐれレビュー

今回はXのイメージが変わる!! ]シリーズ最高 フラッグシップモデルX-H2Sをレビューします。

ひさしぶりに心躍るカメラが登場した。
X-Hシリーズには以前X-H1という機種があり、当時]シリーズ初となるボディ内手ブレ補正を搭載、大型グリップや高いボディ剛性など特にプロやハイアマから評価の高かったモデルであったが、販売終了後は残念ながら”H”の後継機種は発売されていなかった。
しかし、今回満を持して登場したこのX-H2SはH1を継承しながらも“Xのイメージが変わる”驚きのスペックを持ったカメラとして生まれ変わっていた。

大きく進化したのは、APS-Cセンサーでは初となる”積層センサー”を搭載したことである。
これにより秒40コマの高速連写が可能となり、電子シャッター時のローリング歪みを大幅に改善することができた。

電子シャッターで連写を切ってもブラックアウトフリーでストレスなく撮影できる。

走る列車
X-H2S XF18-120mmF4 LM PZ WR (28mm) F4 1/1000秒 ISO500

動体撮影時のスペックはどれぐらいなのかを動体撮影に良いと最近巷で評判のA社APS-C機と撮り比べをしてみた。※両機とも電子シャッターによる連写撮影

至近距離から走る列車を撮影しているが、X-H2Sは歪みをほとんど感じられないが、A社APS-C機は窓枠などが大きく歪んでいる。

走る列車をX-H2Sで撮影
X-H2S XF18-120mmF4 LM PZ WR (18mm) F4 1/1000秒 ISO640
走る列車をA社APS-C機で撮影
A社APS-C機 18-150mm (18mm) F3.5 1/1000秒 ISO400

ブンブン飛び回るクマバチを連写。

クマバチをX-H2Sで撮影
X-H2S XF18-120mmF4 LM PZ WR (120mm) F4 1/3200秒 ISO5000

クマバチは高速で羽ばたいておりX-H2Sと比べて羽のローリング歪みが酷い。

クマバチをA社APS-C機で撮影
A社APS-C機 18-150mm (92mm) F6.3 1/3200秒 ISO6400

ホシホウジャクはホバリングをしながら蜜を吸うハチドリのような昆虫だが、高速で動く羽を見事に写し止めたのには感動してしまった。

ホシホウジャクをX-H2Sで撮影
X-H2S XF18-120mmF4 LM PZ WR (104mm) F4 1/3200秒 ISO1250

X-H2Sのもう一つの進化ポイントは「被写体検出」が搭載されたこと。
人物の顔や瞳に加え、動物・鳥・車・バイク&自転車・飛行機・電車の検出が可能に。
※2023年1月12日(木)公開の「FUJIFILM X-H2S」ファームウェア(Ver.3.00)にて、検出被写体に「昆虫」と「ドローン」が追加されました

エゾリスは被写体検出の「動物」で撮影。ちょこちょこと素早い動きにも瞳を追従し続けた。

エゾリスをX-H2Sで撮影
X-H2S XF150-600mmF5.6-8R LM OIS WR(378mm) F7.1 1/400秒 ISO4000

被写体検出「鳥」で撮影。手前に草むらがある状況下でも確実にカモを追従した。

被写体検出「鳥」で撮影
X-H2S XF18-120mmF4 LM PZ WR (114mm) F4 1/1000秒 ISO12505

被写体検出「鳥」で錦鯉を検出したのはご愛敬。

錦鯉
X-H2S XF18-120mmF4 LM PZ WR (120mm) F4 1/1000秒 露出補正+0.3 ISO1250

被写体検出の「自転車」は自転車を検出するのと同時に人物の顔を検出する。
これぐらいのスピードなら余裕で追従。

被写体検出の「自転車」で撮影
X-H2S XF18-120mmF4 LM PZ WR (18mm) F4 1/1600秒 ISO160

被写体検出「動物」今までは難しかった躍動感ある撮影も簡単に!

被写体検出の「動物」で走る犬を撮影
X-H2S XF18-120mmF4 LM PZ WR (43mm) F4 1/1000秒 ISO2500

被写体検出「電車」手前に欄干や車などの障害物があっても確実に電車を捉えた。

被写体検出「電車」で撮影
X-H2S XF18-120mmF4 LM PZ WR (120mm) F4 1/950秒 ISO160

A社APS-C機の被写体検出「乗り物優先」で撮影したがピントは手前に引っ張られている。
そもそも電車は対象外なのかは不明?ローリング歪みも気になる。

A社APS-C機で走る電車を撮影
A社APS-C機 18-150mm (150mm) F6.3 1/400秒 ISO100

冒頭に“Xのイメージが変わる”とお伝えしたが、今回撮影してみて感じたのは正に「異次元のカメラ」だった。
X-H2Sで今までは撮影が難しかった被写体も余裕で撮ることができ、皆さんの撮影領域が広がることは間違いない。

これからは、「Xは色はいいけど動き物はね・・・」と言われることは無くなるだろう。

ちなみに、今回X-H2Sの作例のほとんどは2022年9月に発売した新レンズ「XF18-120mmF4 LM PZ WR」を使っている。
このレンズ、動画撮影に便利なZOOM/FOCUSコントロールリングが搭載されているが、実は静止画にも優れモノでコントロールリングの力加減一つでズーミング速度を操作することができ、慣れれば手動でズームリングを回すより素早く撮影できる。最短撮影距離もズーム全域で0.6mとマクロ的にも使え、焦点域も35o換算27-180oと通常撮影なら1本でカバーできる。しかも460gと軽量、標準ズームレンズとして選択肢の1本におすすめである。

X-H2S

FUJIFILM X-H2S

詳しくはこちら
XF18-120mm

XF18-120mmF4 LM PZ WR

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【プロフィール】

小島 勇
富士フイルムイメージングシステムズ
デジタルカメラ事業部勤務
スタジオ勤務を経てプロラボクリエイトで写真展監修や作品作成サポートに携わる。
現在は全国北海道から沖縄まで新製品イベントやデジカメセミナー等、社内外講師として活動。

フォトマスターエキスパート総合取得
公益社団法人日本写真協会 会員

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