instax mini Evoで撮る、北海道・美瑛の北の休日instax mini Evoで撮る、北海道・美瑛の北の休日

April 14,2022

instax mini Evoで撮る、北海道・美瑛の北の休日

CASE STUDY 06 :

Kei Maeda

PROFILE
前田景
前田景  Kei Maeda
1980年生まれ、東京都出身のアートディレクター、フォトグラファー。多摩美術大学卒業後、広告代理店を経て、2015年より祖父であり風景写真家である前田真三のつくった株式会社「丹溪」に入社。広告、書籍、ウェブなどのデザインを手がけながら、フォトグラファーとしての活動も開始する。2017年に初の個展「WHITE ROOM」(東京・gallery fèveほか全国4ヶ所)、2021年に「COLD BLUE」(BLUE BOTTLE COFFEE SHIBUYA)を開催。また、妻である料理家たかはしよしこのレストラン「S/S/A/W」のクリエイティブ・ディレクターも務める。2020年に北海道・美瑛町に移住。デザイン、写真の仕事と並行して前田真三写真ギャラリー「拓真館」のリニューアルを計画中。

北海道・美瑛に家族で移住してきてから2年目の冬。

我が家は妻・よしこと小学校2年生の娘・季乃の3人家族で、美瑛の片隅の一軒家で暮らしている。家のすぐそばには祖父が30年前に植えた白樺の森が広がり、エゾリスが走り回っている。11月下旬から4月まで、およそ5ヶ月の間、大地は雪に覆われ、我が家のまわりも一面が真っ白になる。

そんな我が家の冬の休日の一日を、「instax mini Evo (以下略:Evo)」と過ごしてみた。普段仕事で使っている一眼レフだとどうしても肩に力が入るし、娘と一緒の時間に大きなカメラを抱えていくのも邪魔になってしまう。OFFの日に気分をかえてカジュアルに撮影するには、このくらい遊びのあるカメラは良いと思う。

一日の始まりは朝の6:30。学校のある日もこの時間に起きているせいか、自然と目が覚める。

起きると2階の寝室のカーテンを開け、昨夜のうちに雪がどれだけ積もったかをチェックする。5cmや10cmならまだまだだけど、どかっと降るときは20cm以上積もるときもある。着替えて外に出て、さまざまな形状のスコップ(それぞれに得意技がある)を使って雪かきしていく。季乃も一緒に手伝ってくれるが、大抵の場合すぐ飽きてどこかに走っていってしまう。

休みの日は朝ごはんにパンケーキを焼くことが多い。このあたりは小麦の産地なので、地の粉を使って。パンケーキを焼くのは季乃の仕事、毎朝コーヒーを淹れるのは僕の仕事だ。

料理人の妻は同じ敷地内のすぐそばで昨夏に「SSAW BIEI」というレストランをオープンしたこともあり、土日は仕事。
僕は、自宅から店までの雪かきと、お店の薪ストーブの火をつけたり、焚き付け用の薪を割ったりして一仕事を終えたら、そのあとは天気が良ければ季乃と一緒に出かける。カメラは、常に車に入れておく。なんせ、素晴らしい風景にいつ何時出会えるか分からないのが美瑛だ。油断はできない。しかしいざ撮影をはじめると、助手席に乗っている娘は大抵ブーブーと怒り出すのだが…。

さて、どこへ行こう。

東京に住んでいた頃は、娘を自転車のうしろに乗せて、あちこちの公園をはしごして一日中遊びまわっていたけれど、こちらの公園は冬の間、雪に埋もれてしまうのでそういうわけにもいかない。北国の冬の遊びと言えば、やはりスキーとスノーボードだ。

僕は東京生まれ東京育ちで、北海道に住んだのは2年前の40歳の年から。スキーは小学校4・5年生のときに数回やったきり。昨年30年以上ぶりに、久々にスキーをした。娘が滑れるようにと一緒に付いていったのだが、スキー場でリフトに乗り、下まで降りてくる最初の一滑りで、30年以上前のスキーを大好きだった気持ちを一瞬で取り戻した。ワクワクする、嬉しい瞬間だった。

それ以降、昨年は美瑛町内にある小さな町営スキー場や東川のキャンモアスキービレッジ、本格的なコースもある大きな富良野スキー場と、娘とスキーをするためにあちこち出かけた。この冬はさらに輪をかけて、二人で毎週のようにスキー場に出かけ、去年は滑れなかった中級者コースや上級者コース(まださすがに無理で僕が大ゴケした)にチャレンジしている。娘は「スノボもやりたい」と言い出し、友達に借りて初めてのスノーボードにもチャレンジしていた。

ふたりのお気に入りは、富良野スキー場。とにかく広い。初心者から上級者まで幅広く楽しめ、コースから眺められる風景もいい。富良野ゾーンと北の峰ゾーンの2ゾーンからなるのだが、その間もコースで繋がっていて、ちょっとした探検気分で道を探りながら滑れるのも楽しい。

そして、雪をポジティブにとらえられるという面でもスキーは大きい。何せ降りないと滑れない。暮らしの面では、除雪や車の運転など厄介な存在である雪だけれど、スキーと写真に関しては、降ってくれるとうれしい。その正負の両方が常に頭によぎるのは、ここに住み、暮らしているからこそかな、と思う。

話を戻すと、娘はスキーが大好きである。とにかくビュンビュンスピードを出して、ふかふかの場所も、コブでも何でも、飛び込んでいく。やたらと上級コースに行きたがり、無謀なチャレンジをして何度も転ぶけれど、めげない。そして誰にも習わず、好き勝手に滑っている。多分、僕よりすでに上手い。

「こわがっちゃダメなんだよ。」「好きなように滑ればいいんだよ。」「笑顔でカーッと歯をくいしばって滑るといいよ。」

とか、いろいろアドバイスをくれる。

確かに、スキーは楽しむために滑っているわけで、何も選手になるわけでも検定を受けるつもりもないので、自分がいかに楽しめるかに尽きる。そもそも子どもの頃から何万回とコースを滑ってきている道民の方々に自分が敵うはずもなく、比較すること自体がナンセンスだ。

それでも楽しい、やりたいと思えることを40歳を越えてから見つけられたことは幸運だ。しかもスキーをやるには、もってこいの場所で。いまの目標は、旭岳のロープウェイに乗って、山の中のコースを滑ってみること。いつかは十勝岳連峰へのバックカントリー(コースではない雪山を登山して上から滑って降りてくる)にも挑戦してみたい。

昼ごはんは、僕と季乃は大体自宅で簡単なものをつくって食べるか(この日は残っていたドライカレーを食べた)、スキー場やその周辺で食べることも多い。妻はお店で、賄いを食べる。

午後になると、娘は宿題をしたり、大好きな漫画や絵本を読んだり、独創的なお絵かきをしたり(最近はローマ字にはまっていてこの写真の文字たちも娘が書いた)、家の中でひたすら側転や逆立ちを繰り返している。マンション住まいだった頃からは想像できない暴れっぷりで、美瑛に引っ越してきて一番良かったことのひとつは、音を気にしないことだろう。僕らも季乃にいちいち注意しないのですむので精神的にも健康である。週末には爆音で音楽を鳴らして、3人で踊っている夜もある

休日の夕食は妻がお店の後片付けで忙しいので、大体は僕が担当である。冷蔵庫にあるもので簡単につくる。料理は昔から好きだけど、結婚して子どもが産まれてから、する機会がぐっと増えた。妻の料理の見よう見まねでつくっているけれど、料理家の妻が一応食べてるのだからそこそこは美味しいはず。季乃は野菜をあまり食べないので、細かく刻んでハンバーグやオムレツに入れたり、いちいち手がかかる。夫婦ともお酒は好きなので晩酌しながらの食事の時間は、毎晩1時間半以上はかかっているはず。

食後はトランプしたりボードゲームをしたり。一日中スキーをして、その後も家のベッドで飛び跳ねて疲れきったのか、眠い目をこすっていた季乃はいつの間にかリビングのストーブの前でうとうとして寝てしまう。いつもはベッドで絵本を読まないと寝ないけれど、今日はかなり疲れたのだろう。20kgをこえる身体は抱き上げると結構重くて、2階の寝室まで運ぶのも一苦労。
ようやく一日が終わり、撮影した写真を見返してみる。

そういえば、最近は休みもスキーに行くことが多く、そうなると大きなカメラは持っていくのが億劫になり、意外と娘の写真を撮っていなかったことに気付いた。
学生時代にはポラロイドのSX-70を気に入って使っていて、いつも持ち歩いて何気ない日常の風景を切り取っていた。

自分にとっての写真の入り口はむしろ一眼レフよりそっちだったなと、Evoを使っていて思い出した。簡単にレンズエフェクトとフィルムのエフェクトを変えられるのはデジタルならではの面白さ。「光漏れ」のレンズエフェクトはまさにポラロイドのようで、ついつい使ってしまう。フィルムエフェクトは、雪景色ではビビッド、屋内はブルー、夜はレトロなど使い分けて撮影することで、よりイメージに近い仕上がりを狙える(ポラロイドは出たとこ勝負でどれだけフィルムエフェクトを無駄にしたか!)。画面で見る写真もいいけれど、Evoは圧倒的にプリントしたものがいい。どこか懐かしくて、曖昧で、記憶の中のような絵。スキーと同じように、久々にフィルムエフェクトにじわーっと滲み出てくる写真の感覚を思い出し、嬉しくなった。

一緒にスキーに行ったり、肉まん食べたり、トランプしたりする何でもない娘との冬の休日。こんなこともあと数年のことかなと思うと、寂しい気持ちもある。

撮影や仕事で忙しい日もあるけれど、今しか一緒にできないことはしておきたい。冬の休日の記憶は、季乃の中でずっと生き続けて、いつかこの地を離れても、あの真っ白な雪山を滑る無垢な気持ちは、冬になる度に、必ず彼女の心の中に浮かび上がってくるだろう。

今日も一日、よく遊び、よく頑張った。おやすみなさい。

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“チェキ” instax mini Evo

高級感あるクラシックデザインと、アナログ操作で作品を創り上げる楽しさを盛り込んだハイブリッドカメラinstax mini Evo。

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