August 31,2023
写真がすくいあげる日々の愛おしさ。「X-S20」で写す日常
CASE STUDY 08 :
maki
物語を感じさせる日常の写真がSNSで人気のmakiさん。お花を飾ったときの新鮮な気分や、パンケーキが上手に焼けたときの満足感、子どもの新たな一面が見れたときの喜び……。そうした心の機微までをすくいとった写真が、当たり前の日々がどれほど愛おしい瞬間の連なりであるかを思い出させてくれます。
そんなmakiさんにとって「写真」とはなにか、そして今まさに挑戦中という彼女の新たな活動についてもお伺いしました。makiさんが富士フイルムのミラーレスデジタルカメラ「X-S20」で撮り下ろした、家族との日々の写真とともにお届けします。
2023年秋から「us」の名で、本格的な写真活動をスタート 。
https://www.instagram.com/mk11929/
写真をかたちに残すことで、日々の小さな幸せに気付くことができる。それがとても救いでしたし、今も心の支えになっています。
「最初は自分の記録用でした」とSNS投稿を始めたきっかけについて話すmakiさん。本業はアパレル関係で、写真は完全に趣味。コロナ禍で勤めていた店舗が休業になったのに加え、妊娠中のつわりもひどく、家にこもりっぱなしで憂鬱になっていたと、2020年を振り返ります。
「ちょっと特別なご飯を作ってみたり、料理をお気に入りの器に盛り付けたり、夜はキャンドルを焚いて紅茶を飲んだり……家の中で様々な工夫をするようになったんです。それらを撮影した写真をプリントして家に飾ると、『この頃しんどかったけど、夫と近所を散歩して気持ちが満たされたな』とか目に入るたびにそのときの気持ちがありありと蘇りました。写真を形に残すことで、小さな幸せに気づくことができる。それが、心の支えになってくれました」
それらの写真を日記感覚でInstagramへ投稿すると、フォロワーはみるみるうちに増え、今では4万人超に。閉塞感のある世の中で、誰もが暮らしの糸口を探っていた、そうした時代の流れとmakiさんの発信が見事にリンクしました。
2021年に第一子が生まれてからは、自然と子どもの成長を写真に収めるように。それまで長らくしまいこんでいた一眼レフを改めて使いだすと、ますます写真にのめり込み、日常の写真を意識的に発信するようになったと言います。
普段の自分の姿って、意外と残っていないんですよね。自分の写真を通して、誰もが自分のことや自分の生活が好きになれたらと思います。
makiさんのもとには「こんなふうに撮りたい」とか「子供の写真をこんなふうに残したい」などの写真に関する悩みが多く寄せられます。なかでも近年多いのは、「自分の姿を残したい」ということだそう。
「お気に入りのお花を飾っている自分とか、子どもを抱っこしている自分とか、誰もが“好きな自分の姿”ってありますよね。今は、それらをSNSに投稿したりプロフィール写真にしたいと思っている人も多い。でも普段の自分の姿って、意外と写真で残っていないものなんですよね。周りに頼める人はそういないし、誰かいても、自分のこと撮ってとお願いするのは恥ずかしいじゃないですか」
身近な光景こそ、大事なものが詰まっている。そう信じて写真に残してきたmakiさんにとっては、そこにハードルを感じる人が多いというのは意外でした。「あからさまな自撮りは撮るのも公開するのも恥ずかしい」とか「顔を出したくないけど自分だとわかる写真がほしい」など様々に寄せられるコメントを受け、思いついたのが“さりげないセルフポートレート”のアイデア。今後は、こうした写真に関するアイデアをシェアするワークショップなども計画中だそう。ところで、こうしたニーズをmakiさんはどこからキャッチしているのでしょう。
「アパレルの仕事だと思います。服を着る時って、こんな風に見られたい、という潜在意識が誰のなかにもあって。それが今はSNS発信につながっているんです。アパレル業界の方などは、仕事柄、自撮りも発信も慣れていますが、一般の方の多くは戸惑いますよね。私の写真やアイデアが、そういう人の気持ちの後押しになればと思います」