こじまだよ!の気まぐれレビュー  〜GFX100 II編〜

こじまだよ!の気まぐれレビュー
〜GFX100 II編〜

ラージフォーマットカメラの固定観念が変わる!!新フラッグシップモデル「GFX100 II」 今回は圧倒的な画質・機動性に加え、高速性能と動画性能を手に入れた「GFX100 II」を気まぐれレビューします。
2017年にGFX 50Sが発売されたとき、ラージフォーマットの画質の素晴らしさに「感動」したのを今でも覚えているが、今回の「GFX100 II」ではその時以来の「感動」を感じることとなった。
一般的にGFXはその画質の素晴らしさからスタジオポートレートや風景写真分野での評価は高かったが、ある意味撮影ジャンルが限られるカメラでもあった。
しかし今回、新開発の高速センサー「GFX 102MP CMOS II HS」と最新の高速処理エンジン「X-Processor 5」の組み合わせによりGFX100 IIは今までのGFXでは考えらない様々な撮影領域に挑戦できるカメラとなった。
まずは、GFXの代名詞である圧倒的な画質の良さが健在かは気になるところである。
その画質を試すため11月でも夏の景色が残る石垣島に向かった。

まず、ファインダーを覗いて感動した!光学ファインダーかと思うぐらい違和感なくクリアに見える。944万ドット1.0倍のEVFは伊達ではなかった。

機上から撮影。青空の美しさと雲海のディテールもよく出ている。

機上からの撮影
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F11 1/1600秒 ISO1600 ASTIA

石垣島では夏の景色を期待していたが、到着するとあいにくの曇天
夏空はまったくない・・・

GFX100 IIはその場の空気感を映しこむことができた。

石垣島の海
GFX100 II GF55o F1.7 R WR F8 1/220秒 ISO80 VELVIA

細かな葉の細部までしっかりと解像しているところは流石ラージフォーマット新102MP

石垣島の植物
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F11 1/42秒 ISO400 VELVIA

GFX100 IIの広いダイナミックレンジは空のハイライトから森のシャドーまで階調豊かに表現してくれた。

空のハイライト、森のシャドー
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F11 1/45秒 ISO400 ASTIA

今回の石垣島の旅にはGFX100 IIと同時に発売されたGF55mmF1.7 R WRをチョイスしたが、ニュースタンダード標準レンズの自然な画角と大口径の美しいボケが使いやすく、幅広い被写体に対応することができた。
大口径ならでは癖のない美しい丸ボケ

大口径ならではの美しい丸ボケ
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F1.7 1/500秒 ISO80 ASTIA

常用ISO感度は静止画でISO80まで使えるようになった。

ハイビスカス
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F1.7 1/220秒 ISO80 VELVIA

今回新フィルムシミュレーション「REALA ACE」が搭載これにより全20種類が使用可能。
ハイライトの抜けの良さとシャドー部の粘りがいかにも「REALA ACE」っぽい。
花の紫色もきれいに再現することができた。

紫色の花
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F2.8 1/90秒 ISO80 REALA ACE

葉の緑色と花の紫色が「REALA ACE」

葉の緑色と花の紫色
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F11 1/800秒 ISO1600 REALA ACE

雨が降ってきたので雨宿りも兼ねて鍾乳洞に。
GFX100 IIはGFX/Xシリーズ通して最高の8段のボディ内手ブレ補正を達成しておりこのような暗い空間でも手持ち撮影が可能となった。
トトロ鍾乳石

トトロ鍾乳石
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F5.6 1/5秒 ISO6400 ノスタルジックネガ

高感度にも強く、ISO12800でも高感度ノイズは感じられず。

鍾乳洞の中をGFX100IIで撮影
GFX100 II GF55o F1.7 R WR F8 1/7.5秒 ISO12800 VELVIA

撮影旅行では帰宅後のデータ管理が大変だが、GFX100 IIはスマホアプリ「FUJIFILM XApp 」を活用することで何時、何処でどんな撮影条件で撮影したかをスマホで確認することができ便利だ。
スマホのGPSを使いGoogle Map上に撮影位置情報が反映される。

XAppアイコン"
スマホ画面

吹通川のマングローブ林

吹通川のマングローブ林
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F11 1/42秒 ISO250 VELVIA

新102MPセンサーはマイクロレンズを改良することで周辺画質が向上している。
石垣島の亜熱帯植物が画面周辺まで解像していることがわかる。

石垣島の亜熱帯植物
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F11 1/42秒 ISO400 VELVIA

GFX100 II最大のトピックスはラージフォーマットでありながら高速・高性能AFを実現したことだ。更になんと被写体検出AFまで搭載されている。
「蝶」も被写体検出(鳥)で検出した。※昆虫は被写体検出(鳥)で検出されます。

蝶
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F5.6 1/800秒 ISO320 ASTIA

放牧されていた石垣牛
被写体検出AF(動物)で撮影。

石垣牛
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F8 1/640秒 ISO3200 ノスタルジックネガ

GFX100 IIは秒間8コマ連写も可能になったことで動体の撮影にも対応。
孔雀がいたので被写体検出AF(鳥)で連写したが55mmではちょっと厳しかった。

孔雀
GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F5.6 1/1000秒 ISO1600 ASTIA

しかしGFX100 IIなら、ラージフォーマットならではのトリミング耐性でここまでトリミングしても全く気にならないレベル。

孔雀トリミング
※トリミング後 露出補正+1

今回の石垣島の旅ではGFX100 IIの新センサーと最新プロセッサーの組み合わせのおかげで、これがGFXなのか?と感じるほどストレスなく様々な被写体を捉えることができた。
6年前には想像もつかない程の進化を遂げたGFX100 IIには大満足だったが、敢えてウィークポイントを挙げるなら、旅行のお供にはちょっと重いこと(1,030g)。それでも前モデルGFX100から約400gも軽くなったし、昔はフィルム中判カメラを山に持っていったことを考えれば随分と楽になっているが。
それから、蝶を撮影しているとき、止まっている蝶は被写体を検出できたが、飛んでいる蝶は検出が厳しかったこと。このあたりはFWアップデートで改善されるかもしれないが、動体被写体をがっつり撮影したい方はX-H2Sを選択したほうがよいかも。

GFX100 IIは動画性能も大きく向上している。ラージフォーマットで4K60P 8K30Pの4:2:2 10bit内部記録に対応。FHD/120P撮影もできるようになったのもうれしい。また、静止画、動画を外付けSSDに記録することも可能となった。
動画フォーマットも「GF」「Premista」「35mm」「アナモフィック」と様々な映像表現に対応した。

FHD/120Pで撮影。まるで「シネマ」のような動画撮影ができた。ラージフォーマットの美しいボケ感も魅力的だ。

《GFX100 II ハイスピード動画》

GFX100 II GF55mmF1.7 R WR F5.6 1/120秒  Full HD 120P ハイスピード動画(5X)で撮影
被写体検出AF(動物)

このように新フラッグシップモデル「GFX100 II」は静止画から動画まで様々なフィールドで活躍できるカメラとなって登場しました。ぜひこの最高性能をご体感ください。

GFX 100 II

FUJIFILM GFX100 II

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GF55mmF1.7 R WR

フジノンレンズ GF55mmF1.7 R WR

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【プロフィール】

小島 勇
富士フイルムイメージングシステムズ
デジタルカメラ事業部勤務
スタジオ勤務を経てプロラボクリエイトで写真展監修や作品作成サポートに携わる。
現在は全国北海道から沖縄まで新製品イベントやデジカメセミナー等、社内外講師として活動。

フォトマスターエキスパート総合取得
公益社団法人日本写真協会 会員

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